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みなし道路の一括指定(平成14年1月17日判例)

行政行為以外の行政作用ー行政立法、行政事件訴訟法で、処分性ありと認められた判例です。

「みなし道路」というキーワードで処分性有りか無しかは判断出来ると思いますが、多肢選択で出題された時のために重要ワードをおさえていきます。

目次

事案

Xは奈良県御所市内の都市開発計画区域内に土地を所有していた。

ある時奈良県知事が奈良県告示により

「都市計画区域内では敷地の前にある道路が4メートル未満1.8メートル以上の場合、狭いし危ないし建築基準法42条2項によりその敷地の一部も道路とみなすね!」

みたいなことを指定した。

これに対し、Xは新築を立てる際の建築確認工事に先立ち、この自分ちの前の道路がその建築基準法42条2項の道路に当たるかどうかを奈良県高田土木事務所に確認した所、

「あ〜それに当たりますね〜」との回答。

でもそれっておかしんじゃね?とXは、指定処分は存在しないことを確認を求める訴訟を提起した。

ところが

原判決(高裁判決)は、

「包括的に一括して幅員4メートル未満1.8メートル以上の道をみなし道路とすることを定めただけだし、別に他の不特定多数の人にも言ってることだし、これって抗告訴訟の対象になるような行政処分に当たらないよね!」

とXの訴えを棄却。

そこでXは上告する。

争点

告示により一括して指定する方式でされた建築基準法42条2項所定のいわゆるみなし道路の指定は抗告訴訟の対象となり処分性がみとめられるか。

結論は・・・

認められる

めろン

そもそも、みなし道路指定って土地の利用に制限がかかるし結局個人の権利義務に直接影響受ける話だよね。
判旨を重要ワードに注意しながらみていきましょう

判旨

本件告示は、幅員4メートル未満1.8メートル以上の道を一括して2項道路として指定するものであるが、これによって、法第3章の規定が適用されるに至った時点において現に建築物が立ち並んでいる幅員4メートル未満の道路のうち、本件告示の定める幅員1.8メートル以上の条件に合致するものすべてについて2項道路としての指定がされたこととなり、当該道につき指定の効果が生じるものと解される。

・・・そして、本件告示によって2項道路の指定の効果が生じるものと解する以上、このような指定の効果が及ぶ個々の道は2項道路とされ、その敷地所有者は当該道路につき道路内の建築等が制限され(法44条)、私道の変更又は廃止が制限される(法45条)等の具体的な私権の制限を受けることになるのであろう。

そうすると特定行政庁による2項道路の指定は、それが一括指定の方法でされた場合であっても、個別の土地についてその本格的な効果として具体的な私権制限を発生させるものであり、個人の権利義務に対して直接影響を与えるものというこうことが出来る。

したがって、本件告示のような一括指定の方法による2項道路の指定も、抗告訴訟の対象となる行政指導にあたると解すべきである。

まとめ

不動産用語としても登場する「2項道路」。

建築基準法42条2項っていうのが言葉の由来だったんですね。

建物を建て替えするとき2項道路と指定されるとどうしても建物を道路から後退させないといけないので、

どこまで後退させるか等々、紛争になることが結構あるそうです。

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